妊婦とはオーガニックコットン100%に身を包み、編み物や縫い物でもしながら穏やかに出産を待つもの…というイメージがあったのですが、そんなことは全くないのだと姉の妊娠でよく分かりました。
姉が妊婦になってまず驚いたのはつわりの長さ。
少女漫画でよく見かける「…もしかしてこれって…妊娠!?」と嘔吐した後に主人公が気づくワンシーン。
その一瞬の出来事がつわりなのだと思っていました。
実際はそんなドラマティックなものではなく、安定期が来るまで延々と不快感と闘う長い長い戦のことなのだと、横たわって眉間にシワを寄せている姉を見て知りました。
つわりの間は食事の好みも全く変わり、健康志向の姉が野菜を全く受け付けず、肉や油ものしか食べられなくなっていました。
しかも身体が変わっていくにも関わらず、赤ちゃんに悪影響な食材は避けなくてはなりません。
私は妊婦が食べられない食材の多さに驚きましたし、カフェインの入っていない飲み物は味気ないものが多いことも知りました。
当人ではない私も驚くような身体や状況の変化。
姉はどれだけ不安で辛いことだろうと、近くにいる自分が助けなければと意気込み、本を読み漁ったのを覚えています。
姉はオーガニックコットンを着ていなければ、編み物なんて細かい作業のできる人ではありません。
妊婦は幻想の生き物ではなく、身近な個人であり、小さな家族を守っている人です。
そのことを知って、私は世の中の妊婦を見る目が大きく変わりました。
最後に、姉の出産で一番驚いたのは生まれてきた赤ちゃんの可愛さです。
子ども好きでも何でもなかった自分が今では立派なおばバカに。
妊娠・出産それに続く育児は全て、不思議と驚きの連続です。
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