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神経管閉鎖障害の年間発症率について!二分脊椎や無脳症を引き起こす原因!症状と治療法をわかりやすく解説!

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神経管閉鎖障害

妊娠前から葉酸を充分に摂ることで、赤ちゃんの障害リスクを下げられるということが日本でも知られるようになりました。

しかしながら、神経管閉鎖障害は減少傾向にありません。

むしろ昨今、発症率が増加傾向にあります。

「昔は葉酸なんて聞かなかった」「葉酸を摂らなくても大丈夫だろう」と考えてる方や、葉酸の大切さを知らないご夫婦はまだまだいるようです。

そこで今回は神経管閉鎖障害の発症率について、年間でどのくらい発症してしまっているのかについて説明していきましょう。

神経管閉鎖障害の発症率

日本産婦人科医会・外表奇形等統計調査の報告からすると、2007年の神経管閉鎖障害の発症頻度は年間分娩件数10,000件あたり4.8で年間に約400名が神経管閉鎖障害で生まれています。

患者発生率は過去30年間にわたり、減少しておらずむしろ増えているのです。

  • 1980 年=約200名
  • 1990 年=約300名
  • 2000 年=約400名

このことから、神経管閉鎖障害となる確率は決して低くないことがわかるでしょう。

しかし神経管閉鎖障害は、予防することができるのです。

葉酸サプリで障害リスクが低減する

1991年にイギリスから発表された葉酸サプリを服用した妊婦の比較試験では、葉酸サプリを服用した妊婦から神経管閉鎖障害の再発リスクが72%低減することが証明されました。

それらを受けて2000年に厚生労働省は、妊娠を計画している女性は、妊娠4週間前から妊娠12週まで葉酸サプリなどの合成葉酸を1日に400μg摂る事を勧告しました。

しかし葉酸サプリはまだまだ普及しておらず、内服率も低いままであり患者数は全く減少していません。

むしろ増えているのです。

今のところ神経管閉鎖障害を予防する術は、栄養学的観点から葉酸を充分に摂り不足させないようにするしかありません。

ですから、妊娠前からしっかりと葉酸サプリなどから葉酸を摂って赤ちゃんの障害リスクを低めましょう。

葉酸サプリは飲む時期が重要

2012年にインターネットで20代~40代の妊婦さんに対して、葉酸についての質問調査が行われました。

その結果85.2%の妊婦さんが、妊娠中に葉酸を意識的に摂っていることがわかったのです。

しかし、その多くの方は妊娠1ヶ月以降から葉酸サプリなどでの摂取を開始したとのことでした。

多くの妊婦さんが葉酸サプリを摂取していたものの、その摂取時期は神経管閉鎖障害のリスク低減のためには遅すぎるでしょう。

神経管閉鎖障害のリスク低減のためには、妊娠約1か月前~妊娠3ヶ月頃に葉酸サプリを摂取すべきなのです。

神経管脊髄や脳などの中枢神経のもとである神経管が作られる時期は妊娠初期ですので、その時期に母体に葉酸が不足していないことが重要となります。

神経管閉鎖障害は妊娠初期に起こる先天性異常

神経管閉鎖障害とは脊髄や脳などの中枢神経のもととなる神経管が作られる時期である、妊娠4~5週ごろの妊娠初期に起こる先天性異常です。

この神経管閉鎖障害には大きく二つに分けられます。

  • 二分脊椎
  • 無能症

閉鎖障害が神経管の下部にできた場合は「二分脊椎」となり、生涯において治療が必要です。

閉鎖障害が神経管の上部で起きると「無脳症」となり、脳が不完全な状態になるので流産や死産の確率が高まります。

それぞれ見ていきましょう。

二分脊椎について

神経管閉鎖障害の中でも、まずは二分脊椎について詳しく見ていきましょう。

  • 原因
  • 症状と治療方法

異常の切り口で二分脊椎について解説します。

二分脊椎の原因

二分脊椎を発症させてしまう原因については以下のものが考えられています。

  • 栄養学的因子
  • 環境因子
  • 遺伝子因子

詳しく見ていきましょう。

栄養学的因子

栄養学的因子としては、葉酸の摂取が足りていないということです。

これに関しては妊娠前から葉酸サプリを充分に摂取することで、障害発症リスクが70~80%低減できます。

実際アメリカなど40数か国では穀類に葉酸の添加を義務化しており、添加後の発症率が50%前後減少したという報告もあります。

しかし日本では食品に葉酸を添加することには賛同が得られていません。

ですから葉酸を摂ることの大切さを妊娠前の女性に知ってもらい、葉酸サプリの内服率を上げることが急務とされています。

葉酸サプリで二分脊椎の発症頻度を低くすることは確実です。

環境因子

環境因子の原因内容としては以下のようなものがあります。

  • 糖尿病
  • 肥満
  • てんかん薬の服用
  • 妊娠前の高熱発作
  • 放射線被爆
  • ビタミンAの過剰摂取

環境因子に対してできる身近な対策は、食事管理があります。

妊娠中の方はもちろん、妊娠計画のある方はぜひ知っておきましょう。

妊娠中の食事についてはこちら

妊娠中の食事について!気をつけることや注意点は?

遺伝子因子

葉酸サプリを飲めば70~80%障害リスクを低減できると先に記しましたが、残りの20~30%の症例は遺伝子異常が関係しています。

第一子が神経管閉鎖障害だった場合は、第二子にも5%の確率で発症するとされているのです。

この場合には、葉酸サプリを飲んでいても予防が困難となるでしょう。

症状と治療方法

二分脊椎の症状は、様々なところに現れます。

治療は、専門の各科によって行われるのです。

  • 脳神経外科
  • 整形外科
  • 泌尿器科
  • 小児外科

症状と治療方法について専門の科ごとに見ていきましょう。

脳神経外科での治療

脳神経外科での治療としてはまず腰仙部の脊髄髄膜瘤というものを生後2、3日以内に修復することで、髄膜炎と神経の機能障害を防止します。

また、二分脊椎では90%の確率で水頭症が発生するのです。

水頭症を放置してしまうと、無気力・てんかん発作・知能障害などを発症してしまいます。

そのため、脳室腹腔シャント術という手術が必要になるでしょう。

さらにキアリ奇形が過半数の患者に現れており、無呼吸発作・喘鳴・嚥下障害を10%の確率で起こします。

キアリ奇形が高度の場合は、ごえん性肺炎・呼吸不全を起こしてしまい死に至るケースもあるのです。

整形外科での治療

二分脊椎では、歩行障害・足部の褥創(床ずれのようなもの)・脊柱側弯・後弯などが現れます。

知覚障害を放置してしまうと、足の変形・転倒・骨折などを発症してしまうでしょう。

また背中やおしり・足にできた褥創が拡大してしまうと、敗血症にかかってしまう恐れもあります。

整形外科では補足具・松葉杖を使用したり、足関節や股関節の矯正手術を行います。

脊柱の変形に対しては、手術療法を行うこととなるのです。

泌尿器科での治療

70~80%の赤ちゃんに、尿失禁・尿路感染症が発生します。

慢性的に尿路感染を起こすと、膀胱尿管逆流を起こしてしまうのです。

長期的にその状態が続くと腎機能障害や腎不全に繋がってしまうでしょう。

ですので幼児期から、清潔間欠導尿(CIC)を導入し、抗コリン剤と抗菌剤を処方します。

症状が重い場合は、膀胱拡大術と尿失禁防止術という手術が必要となるのです。

また精巣発育不全や、神経障害のために性機能障害を起こす成人男性も過半数あらわれます。

そのため男性不妊になるのです。

小児科での治療

小児科領域での最大の問題は、大便失禁です。

大便失禁が治らなければ、社会生活へ順応するのが難しくなるでしょう。

また約過半数の二分脊椎の赤ちゃんに、軽度から中程度の知能障害が発症します。

このように二分脊椎となって生まれると、一生にわたって治療とリハビリが必要になるのです。

脊髄髄膜瘤 の日本での発生頻度は、40年前は0.01~0.02%でしたが最近では0.03~0.04%と増加しています。

<参照:難病情報センター | 奇形症候群分野 二分脊椎(平成23年度)>

無脳症について

無脳症とは脳がまったくない状態、または脳が欠損した状態の奇形です。

無脳症は胎児が24日までに閉じるとされている、口側の神経孔が閉じなかった場合に起こるとされています。

超音波検査で胎児の頭蓋骨が見られなかったり、目より上の部分が観察できないことから容易に診断できるでしょう。

ですので妊娠中期には無脳症であれば発見することができます。

妊娠初期にも発見できることはありますが胎児の位置などから脳の存在を的確に確認せねばならないため、大体の場合において妊娠10週以降に診断される場合が多いでしょう。

脳がない状態ですので、流産や死産となります。

仮に出産できたとしても1週間以上生存することは難しいでしょう。

まとめ

  • 神経管閉鎖障害とは妊娠初期に起こる先天性異常
  • 二分脊椎は、生涯において治療とリハビリが必要となる
  • 無脳症とは脳が無い状態なので流産や死産となる場合が多く、出産できたとしても1週間異常生きられない
  • 神経管閉鎖障害の20~30%の症例は、遺伝子異常が原因とされる
  • 妊娠前から葉酸サプリを充分に摂取することで、障害発症リスクが70~80%低減する
  • 神経管閉鎖障害の子は、分娩件数10,000件あたり4.8で年間に約400名生まれている
  • 厚生労働省は妊娠を計画している女性に対して、妊娠4週間前から妊娠12週まで葉酸サプリなどの合成葉酸を1日に400μg摂る事を勧告している

神経管閉鎖障害となる確率は、年間出生件数から見ると低いとは言えません。

赤ちゃんの障害リスクは遺伝的な原因だけでなく、母体の葉酸不足によっても起こることですので他人事ではないのです。

だからこそ妊活中は、妊娠を考えたその日から、いつ赤ちゃんができても良いように葉酸サプリを飲んでおくことは大切でしょう。

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